巷で遺言の本を見かける。
ほとんどが、法律的なアドバイスあるいは相続税の節約に焦点をあわせている。
しかし、
どうもピンがずれているような気がする。
こんなことをいってはなんだが、
遺言を作っておけば相続争いが起こらないかとというとそうでもない。
かえってひどい争いが起こったりすることもある。
また、
相続税対策を考えなければならないほどの資産家はそれほど多くもない。
かえって下手な小細工が後にトラブルになることもある。
もちろん
遺言や相続対策のテクニックはあるし、利用すべきだろう。
しかし、何のための相続対策や遺言かということを忘れてはいけない気がする。
これまで相続争いにかかわった経験からすると、遺言や相続の問題はけっきょく家族のありようだという気がする。
対策を考えることは大切なことである。
遺産を遺せば、それで遺された家族が幸福になるわけではない。
私としては、財産を遺すというのは形であり、器でしかない気がする。
そこには、もっと大切な中身があるような気がする。
それは、遺された人に対する気持ちや思いやりや個人に対する思い出ではないだろうか。
亡くなるまでに、その人がいかに家族のことを愛していたかを素直に伝えることができる人は少ない気がする。
死んでしまったら、伝えることはできない。
財産を残すだけでは思いはきちんと伝わらないかもしれない。
だから、
生きているうちに、家族にきちんと伝えておこう。
気恥ずかしいかもしれないが、
いろいろな記念日は、そのためにあるのだ。