顧問弁護士を頼むのと、普通に相談をするのとどう違うのだろうか。
そこで、顧問契約が有益かどうか考えてみたい。
結論から言うと、お金の損得だけで考えるなら特にならないかもしれない。
顧問契約を結ぶと、たしかに法律相談が無料に何回もできることになる。
法律相談料は1回あたり5250円から1万0500円くらいだろう。
顧問料が月額5万円として、月に5回相談をすればモトがとれる計算になる。
しかし、普通の会社が、月に何回も法律相談をするということは考えられない。
もし、そんなに多くの回数を相談してくるなら、その会社の体制に問題がある可能性があるのではないかと疑いさえ起こってしまう。
このほかに簡単な書面のチェックなどが無料で受けられる。
しかし、料金だけ考えると、お得とはいいがたい。
では、なぜ顧問契約をしていただけるだろうか。
個別の案件毎に相談をすればいいだろうという考えもあろう。
しかし、個別の相談案件だと、なかなか相談の予約が入りずらい。
弁護士は、意外と忙しい。
相談を入れようと思っても、すでに先約があり、1週間先くらいになってしまうことが多い。
それでは間に合わないがある。
たとえば、暴力団や困難なクレーマーへの対応などでは、
「明日までに返事をしろ。」といわれることがある。
そんな緊急事態でも、顧問であれば無理を聞いてくれる。
また、顧問先でなければその度毎に事務所に来ていただき、案件を説明してもらうことになる。
しかし、顧問先であれば日頃から付き合いがあるため、ある程度の事情を把握している。
それゆえ、わざわざ事務所に来ていただかなくとも、電話・ファックス・メールでの相談も可能になる。
顧問先であれば、会社の方針などを知っていることから、表面的な処理ではなく、大きな視点からのアドバイスが可能となる。
たとえば、法令遵守をふまえたアドバイスの必要性が増加している。
昨今のマスコミで報道されているような事件が起こらないにするためには事前予防の観点、法令遵守の視点が不可欠である。
しかし、このようなアドバイスは、顧問先以外にはしにくい。
事情がわからなければアドバイスしようがなく、短時間では会社を理解することはできないからだ。
お互いに信頼関係がなければ、厳しいアドバイスがしにくい。
相手も真摯に受け止めてくれないこともある。
仮に、何らかの交渉や訴訟などがおこった場合、顧問契約をしていないと依頼を断られることもないわけではない。
しかし、顧問契約をしていれば、ごく例外的な場合をのぞき引き受けてくれる。
また、交渉などの際の有力な説得材料となることもある。たとえば、事前に法律相談をしていれば、
「実は、こちらでも顧問弁護士に法的な点を検討してもらいましたが〜。」と説得材料に使うことができる。
法律事務所によるけれども、顧問先向けに勉強会やセミナーなどを開催するところがある。
たとえば、「とらぶらない契約」「クレーマーの対応」「債権回収」などいろいろなものがある。
それを上手に利用して、従業員の研鑽に努めることができる。
表面的に相談料だけで損得を考えるなら、顧問契約はお勧めしない。
きちんと法令を遵守しながら、顧客満足を高めていきたいという会社であれば、顧問契約の必要性は高く、メリットがあるはずである。