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私から私たち、そして私たちすべてへ

法教育で身につけてほしい視点は、簡単に言うと、
私
私たち
私たちすべて
これらの視点である。
これらは重なり合っている。
どこまで視野を広げられるかがとても大切である。
たとえば、
コーヒー一杯を飲むとする。
それは、次のようにいろいろなレベルでとらえることができる。
私のレベル 自己決定 自由 コーヒーを飲むのは私の自由だ。
私たちのレベル 他者への配慮 影響 コーヒーを飲んだら誰かに迷惑をかけたりしないだろうか。
私たちすべてのレベル 人間を含む環境への影響 コーヒーを飲むことは、生態系や環境に悪影響を与えないだろうか。
これらは言われてみると簡単だが、実際はどうか。
私たちの行動は、あまり考えない反応的なもの、往々にして自己中心でありすぎないだろうか。

法教育についての勘違い

法教育について勘違いが多い。
たとえば、法のしくみを知識として覚えさせようというものである。
たしかに知識は必要だ。
しかし、考えてもらわなければ法教育にはならない。
法教育は、自分の頭で考える市民を育成する。
だから、
しくみがどうなっているのかを知ることよりも、「どうして、そんな仕組みを作ったの?」と考える方が大切だ。
裁判所を見学することもよいことだと思う。
しかし、
それで満足せずに
「なぜ裁判所があるの。裁判所がなければどうなるの。」と考えさせてほしい。
先生方にお願いしたいのは、生徒さんに考えさせることだ。
社会科においても「なぜだろう?」という疑問を持つことは大切だ。
そして、
おかしいと感じたら、「どうすればいいのだろう。」とつなげてほしい。
これが法教育においてもっとも大切なところだ。

閑話休題(法教育の勧め)後藤直樹

法教育はむずかしいものではない。
名前がむずかしそうなだけである。
小学生でも勉強することができる。
たとえば、ケーキをめぐって兄弟で争いが起こったとする。

どうしたらよいか。

親が、こうしなさいと言う前に、ちょっと立ち止まってみよう。もし、子どもたちに「生きる力」をつけてもらいたいなら、親が解決してしまうのはいかがなものか。子どもたちにも考える力はある。それを伸ばしてあげたらどうだろう。子どもたちに解決を考えさせたらどうだろうか。ケーキの配分をめぐる兄弟喧嘩は法とは何の関係もなさそうである。

しかし、抽象度をあげると、これは「利益」の「配分」をめぐる「紛争」である。その観点からすると税金の使い道をどうするかについての議論も同じ類いの問題である。
また、ある企業で利益をあげたとしてその利益を役員、従業員、株主でどのように分配するか、働かない従業員と働いても成果が出ない従業員で給料をどうするのかという問題も同じ類いの問題である。

このような「利益」の「配分」をめぐる「紛争」をどう扱うか。学校の社会科教育では、この問題は憲法14条の平等の問題として教えられてきた。しかも、暗記の学習である。14条を暗記したからといって考える力はつかない。「生きる力」を培うことはできない。
法教育は、法の「知識」ではなく、その「考え方」や「価値」を子どもに伝えようとする教育である。「考え方」を使って自分の頭で解決を考えだしていく。それが現代の社会で求められている力である。
法教育は、「生きる力」のある子どもを育成するものである。

私は,子どもといっしょに考える。
弁護士会で子ども法律学校の講師をする。
学校へも出かける。
教員の先生のためにセミナーもさせていただいている。
親にもPTAにも話をする。
ひとりひとりがかけがえのない人生を生きることができる社会を実現するために「法教育」は必要なのだ。もっと広めなければならないと思っている。このような活動に興味がある方は、ご連絡をいただければ幸いである。遠慮はいらない。

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