司法試験
弁護士は、司法試験に合格し司法研修所で研修を受け卒業している。思い出話になるが,昔は、2万8000人受験して500人しか合格できなかった時代があった。短答式試験、論文式試験、口述試験と試験があった。ときに試験に落ちた夢を見ることがあったりするくらい困難な試験である。「試験に合格するには、六法全書を暗記しなければいけないのか。」と質問を受けることがあるが、そんなことはない。しかし、だいたいどのようなことが書かれているのか、どのあたりに条文があるのかは記憶している。
ロースクール
現在の司法試験は,昔の司法試験と大きく変更された。現在は,法科大学院を卒業して司法試験を受けることになっている。合格率も30パーセントくらいである。もうすぐ年間3000人の合格者がでてくる時代となる。そのため、アメリカのような訴訟社会となり、救急車の後を追う弁護士もでてくるのではないかと言われている。
本人で裁判はできるか
弁護士を依頼すると費用がかかる、そこで、自分で訴訟をできないだろうか。書店に本人でも訴訟ができることをうたった本がある。しかし、相当の気力と労力がないと現実には難しいと言わざるを得ない。なぜなら、訴訟で勝つためには法律の理屈を知り、そして言い分を証拠で裏付けていかなければならないからである。
弁護士の選び方
もし弁護士に依頼するとなると長い付き合いになる。というのは訴訟や調停だと解決まで半年から1年はかかるからだ。できれば、優秀で相性の良い、しかも弁護費用の安い弁護士を頼みたい。そういう場合には、まず知り合いで弁護士を知っている人がいないかどうかを聞いてみるとよい。もし知っているならどのような弁護士かを聞いて、安心できそうなら紹介を受けた方がよい。弁護士は多忙なので、飛び込みの相談をうけることはほとんどない。また、弁護士にとって飛び込みの相談者だとどうしても打ち解けにくい。紹介者がいたほうが安心なのだ。知り合いのつてが使えない場合には、弁護士会の相談センター(有料)、市町村等の法律相談を利用してみよう。電話帳を見て電話をしても、紹介者がいないと引受けてもらいづらいかもしれない。しかし、ホームページを出しているような弁護士であれば、紹介者がいないときでも相談に乗ってくれる可能性が高い。
広告解禁
ちょっと昔までは弁護士に広告は許されていなかった。しかし、時代は変わった。東京の地下鉄には弁護士事務所のポスターがベタベタ掲載されている。新聞の広告欄にも、弁護士事務所の広告が掲載されているのを見かけるようになった。これらの広告のほとんどは、多重債務を扱う弁護士のものである。広告を出しても割にあうくらい大勢の人たちが債務に苦しんでいるということなのだろう。現在でもほとんどの弁護士は広告を出すことに抵抗を感じている。それもいずれは変わっていくことだろう。
弁護士の専門分野
一般の人から専門分野はなんですか、と尋ねられることが多い。正直、ほとんどの弁護士は、この質問には困惑する。というのは、ほとんどの弁護士が民事全般を取り扱っており、特化していないからだ。それゆえ専門分野というのはほとんどない。病院でたとえるとなんでもありの総合病院みたいなものなのだ。ただし、大学病院のような専門分野もある。たとえば特許等の知的所有権、企業間の国際取引に関する契約やトラブル、医療過誤などである。これらを専門的に扱っている事務所も東京などの大都市にはある。だから、地方の弁護士には、「あなたの苦手な分野、あるいはやりたくない分野はなんですか。」と聞いてほしい。
やりたくない仕事
弁護士にもやりたくない仕事がある。弁護士は、それなりにポリシーを持って仕事をしている。だから信念に反する仕事はしたくないと思っている。また、相性が合わない依頼者の事件も困る。そういうケースは、お互いに感情的になりやすく信頼関係にひびが入り、トラブルになりやすい。
弁護士の許諾の自由
ときに法律相談で、無理難題をふっかけるような相談者がいて、裁判を起こしてくれ、引受けてくれと懇願されることがある。しかし、内容によっては引受けたくないものもある。たとえば、社会正義に明らかに反するような内容のものであったり,相談者によっては内容が虚偽ではないかと疑われるものであったり、訴訟を起こしても権利の実現の可能性がほとんどない場合などである。そんなときに、困っているのだから弁護士は事件を引き受けるべきだという人もいる。しかし、やりたくないと思っていることを無理矢理に引受けてもらっても成果が上がるとは思えない。そういう場合にはお断りすることにしている。弁護士にも許諾の自由があるのだ。
困る依頼者
弁護士はどんな依頼者に困るのか。たとえば、約束なしに突然に相談に訪れる人。報酬を払わない人。任せっぱなしで連絡をよこさない人。いったん決めたはずなのにすぐに変更してしまう優柔不断の人。重箱の隅をつつくようにやたらと細かい人など。わかったふりをするけれどわかっていない人。すぐに感情的になる人。嘘をつく人。他人を傷つけるために法律を利用しようとする人などなど。
刑事専門弁護士
刑事専門の弁護士はいるかという質問を受けることがある。たぶん、いないだろう。日本では、刑事事件だけでは食べていくことができないからだ。刑事事件を犯す人に裕福な人はあまりいない。自腹を切ってまで弁護士を依頼する人はほとんどいない。ほとんどの刑事裁判は国選弁護事件である。国選弁護事件の報酬は約8万円である。正直、これで事務所を維持していくことはできない。だから刑事専門弁護士はいない。しかし、刑事事件に情熱を傾けている弁護士はいる。
裁判員裁判
2009年5月から殺人等の重大事件について裁判員制度が始まる。アメリカだと陪審員制度であり、有罪か無罪かを陪審員が決める。日本では、有罪か無罪かの事実認定の他に量刑についても裁判員と裁判官が評議して決める。専門家的なものの見方までは必要はないが、裁判員は自分の意見をきちんと言えることが必要である。
裁判の傍聴
裁判はほとんどが公開されており、傍聴が可能である。東京地方裁判所には傍聴マニアがいるらしい。傍聴をするなら、刑事裁判がよい。民事裁判は、ほとんどが書類のやり取りで終わってしまい、何をしているかが傍聴人には理解しにくい。刑事事件なら、聞いていても理解しやすいし,争いのない事件であれば1回で審理が終わるので、全体の流れもつかみやすい。