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今さらながら、都議会のヤジについて

今さらながら、都議会のヤジについて。
世間の話題の移り変わりは早いので、ヤジ問題から集団的自衛権の行使容認、
さらに野々村議員の号泣会見へと流行?は移って行っているのですが…。

都議会のヤジ問題については、「ヤジは議会の華」とか言ってないで、
まずは議会でのヤジを厳禁としてほしい。
「人の話は静かに聞きましょう」と小学生のときから言われて来たのに、
選良と呼ばれる議員ができなくてどうするのかと思います。

ヤジの内容について判然としない部分があるのが困りますが、
「自分が早く結婚しろ」は発言者が名乗り出ており、「自分が産んでから」と
いう発言もあったようです。
「これのどこがセクハラなのか」という反応も多く、びっくりするとともに、
そうなのか〜、という感じでした。
セクハラという単語が比較的新しく、定義が人によって違うのが難しいところで、
セクハラをする人は、そもそもセクハラだと思っていないことが多いようです。
セクハラはお尻をさわること、とか、もっと性的な言葉を含むものだと限定的に
とらえている人も多いです。

また、「男性が言われたら騒がないのに、女性のときだけこんなに騒ぐなんて
おかしい」とか「くだらないことで騒ぎすぎ」という感想も多かったですね。
男性が言われた場合も同じように問題で、それを問題としないから、女性に
ついても問題にすべきでない、というのはおかしな話です。
今回のことはくだらないことではなく、くだらないと考えること自体が問題だと
感じます。感覚はどうにもなりませんが。
女性なら良く言われていることで、大騒ぎするようなことじゃない、というのも
何だかな、と思います。
多くの人が言われているから問題じゃない、ということにはなりません。

「子どもを産んでから少子化問題を語れ」というのはもっともらしく聞こえるので
厄介ですが、自分が経験したことしか語れないとしたら、様々な立場にある有権者を
代弁するはずの議員は、ほとんどの問題について語れなくなってしまいます。
少子化のみでなく、障害、犯罪被害、貧困、高齢等々、自分が経験していない問題に
ついて対策を考えないとならないことはたくさんあります。

塩村議員についてのバッシングもひどかったですが、塩村議員のこれまでの言動や
議員としての資質と、ヤジの件は別問題として両立するのに、片方が立てば片方が
立たない、というようにとらえる人が多いのでしょうか。

結婚、出産、育児はきわめて私的なことで、他人が口出しすべきではない、というのが
大原則で、ただ、社会の基礎は人であって、出生率の低さは大問題ですから、対策を
考えないといけない。
しかしながら、単に結婚しろ、子どもを産めと強制したところで、出生率が
上がるわけがない(そもそも結婚と出産育児をがっちりとセットで考える限り、
劇的な改善は見込めないのではないかと思います)。

政治のなすべきことは選択肢を広げて、様々な制度を設け、子どもを産み育て
ようとする人の後押しをすることであって、価値観の押しつけではありません。
真剣に少子化対策を考えるべき議会という場で、あのような発言がなされて、
笑いが起こっているようでは、実効性のある少子化対策がなされることは
難しそうだ、と感じさせたのが今回の出来事でした。

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